Q.腹膜透析ではどのように透析が行われますか?
A.
不要な物質は拡散の原理で、余分な水分は浸透の原理で除去されます。
CAPDの原理
拡散
体の電解質濃度より薄い透析液を入れておくと、不要な物質が透析液側に移動します。
腹膜を介して透析液側と同じ濃度になる力を利用し、尿素や老廃物を除去します。
不要な物質は、拡散の原理で取り除かれます。拡散の原理とは半透膜(腹膜)を境にして、濃度の高い方から低い方へ物質が移動する現象です。CAPD では、透析液が低い方、血液が高い方となり、時間の経過と共に同じ濃度になることで、体内の不要な物質を取り除きます。
浸透
体の糖濃度より高い透析液( ブドウ糖)を入れると、余分な水分が透析液側に移動します。
腹膜を介して透析液側へ水をひきつける力(浸透圧)を利用し、余分な水分を排除します。
※透析液はブドウ糖と電解質が入っており、pHは体に優しい中性液を使用します。
CAPDの方法
- カテーテルというやわらかいチューブを、手術でお腹の中に埋め込みます。そのカテーテルを通して、透析液の出し入れをします。
- 透析液は1回4~6 時間貯めます。
- 透析液の交換は簡単にできます。この交換を「バッグ交換」といいます。
- バッグ交換の方法は、入院中に病院のスタッフから指導をうけます。
- 1回に入れる液量は、成人男性で2,000mL、女性で1,500mL が平均的な量です。(体型や状態により異なります。)
- バッグ交換にかかる時間は、注液で10分前後、排液で20~30分程度なので、全部で約30~40分くらいです。