Q.食事について気をつける事は?
A.
CAPD療法の食事は、血液透析に比べ制限がゆるやかですが、CAPDを長い間続けていくためには知識を身につけ、食事をコントロールすることが大切です。
また、抵抗力を落とさないためにも食事は重要です。検査データを見ながら、バランスよく摂取することを心がけましょう。それぞれの摂取量については、主治医や病院のスタッフと相談してください。
CAPD食のポイント
- バランスのとれた食事
- 塩分を控える
- 水分は尿量、除水量に合わせて調節する
- 適切なエネルギー量
- 糖分を摂りすぎない
- 良質な蛋白質を適量摂取する
- 動物性脂肪は避ける
栄養量
尿量が500mLあるときの、CAPDの1日の食事基準摂取量です。
標準体重50kgの方を例にあげてみましょう。
エネルギー
透析液にはブドウ糖が含まれており、患者さんは食事からだけでなく、透析液からもエネルギーを吸収しています。エネルギーが過剰になると、脂肪に変わり肥満や高脂血症の原因となるので、食事のエネルギー摂取量が多くならないように、心がけましょう。
蛋白・リン
蛋白は体内の臓器や血液、皮膚などを構成する材料です。CAPDでは排液中に1日約5~10gの蛋白質が漏出するため、食事で摂取する必要があります。蛋白質にはリンが多く含まれており、摂りすぎると高リン血症となるため、バランスよく摂取しましょう。
リン・カルシウム
リンとカルシウムは骨や菌を作ったりする大切な成分ですが、腎機能が低下するとカルシウムの吸収が減り、リンが蓄積され高リン血症になりやすくなります。リンが高いと生命予後のリスクになります。
カルシウムとリンは魚介類や乳製品に多く含まれており、リンが増えないようにバランスよく摂取する必要があります。
塩分
塩分を摂りすぎると、喉が渇き水分摂取量が増えます。また、血液内のナトリウム濃度をうすめようと、水分を体にとりこもうとするため、むくみや高血圧などをおこします。
日頃より塩分を控えた食事を摂る習慣をつけましょう。
摂取量は医師の指示に従った量にしましょう。
水分
CAPD療法の水分バランスは、除水量、飲水量、尿量(尿の出ている方)、汗、呼吸などを考慮しながら調整します。
体に入る水分と出る水分を調整し、適正体重の範囲内でコントロールしましょう。
※適正体重とは、血圧や心胸比が正常でむくみや息苦しさがなく、快適な生活を送ることができる体重のことをいいます。
カリウム
CAPDはカリウムを含まない透析液を使用しているため、毎日少しずつ除去されます。よって、カリウムの摂取制限は比較的ゆるやかです。また食欲がない時や下痢が続いている時は、低カリウム血症となりやすいので、多めに摂取するなどの注意が必要です。しかし過剰摂取は高カリウム血症を招き、不整脈などを生じることがあります。
食物繊維
便秘になると、埋め込んだカテーテルの先端の位置が動く場合があります。便秘予防のため、繊維食品も摂取するように心がけましょう。