草津駅からバスで約25分、美しい水田の景色が続き大きな風車が見えてくると、そこは琵琶湖に突き出た烏丸（からすま）半島。ここに、滋賀県立琵琶湖博物館があります。エントランスを抜けると、巨大なガラス窓から目の前に広がる琵琶湖が一望できます。まさにこれが見る者に投げかけられたプロローグ。「琵琶湖」を通して子どもから大人までそれぞれの楽しみ方で「体験型」展示の中を進んでいくという、とてもユニークな博物館です。約400万年前に生まれたと言われる琵琶湖の古代から今までを「環境」「文化」「科学」「人間」「自然」など様々な切り口で紹介しています。　

この博物館の最大の魅力は、発見・解明した事実を並べているだけでなく、普段は見ることのない裏方の部分も全て展示しているところです。例えば、地層を掘って見つかった様々な化石の横に、研究者の机が並べられ、どのように何を研究しているかなどが公開してあります。手に取ってみたり、机の中を開けて資料を見たり、自らヘルメットをかぶって探検したり…普段博物館では叱られてしまうような事も、ここではOKなのです。　

また、湖と人間の関係を通して様々なことを考えるきっかけを与えてくれ、楽しいだけでなく勉強にも。湖に生息する水族展示も充実しており、珍しい生き物に釘付けになります。博物館の外には古代種の木々が植えられた森や、琵琶湖のほとりを散策できる広い公園があり、たっぷり時間をかけて楽しめる博物館です。