国が定めた名勝（景色の良い地）の中でも特に価値が高い「特別名勝」は、現在、全国に36件^＊あります。その一つに名を連ねる栗林公園は、文化財庭園としては最も広く、背後にそびえる紫雲山を含めた敷地面積は東京ドーム約16個分にもおよびます。400年近い歴史を誇るこの大名庭園には、6つの池と13の築山が配され、見事な調和を醸し出しています。「一歩一景」と評される通り、歩みを進めるたびに風景が趣を変え、目を楽しませてくれます。総じて感じるのは「とにかく手入れが行き届いている」ということ。園内には「鶴亀松」をはじめ1000本もの手入れ松が植えられており、ほぼ一年中、園内のどこかで職人が剪定などの作業を行っているそうです。近年は高松空港のアジア国際便が増えたことで海外からの観光客が増加、昨年は来園者70万人のうち10万人が外国人だったといいます。国内だけでなく、世界にも伝える「日本の庭園美」。栗林公園はその役割を充分に果たしているようです。
＊2023年10月1日現在